大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

神戸地方裁判所姫路支部 昭和51年(ワ)214号 判決

主文

被告は原告に対し金四七〇万三六五四円及びこれに対する昭和五一年七月一〇日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。

訴訟費用は被告の負担とする。

この判決は仮に執行することができる。

事実

第一、申立

一、請求の趣旨

主文同旨。

二、請求の趣旨に対する答弁

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

第二、主張

(請求原因)

一、原告は、中小企業等協同組合法により設立された組合である。被告は、原告組合の代表理事であつた(昭和五〇年八月末退任)昭和四九年度(昭和四九年四月一日から昭和五〇年三月三一日まで)役員報酬として四六三万六八〇〇円を原告組合から支出してこれを受領した。

しかし、昭和四九年五月一日第八回原告組合通常総会において「代表役員の報酬は年間二〇〇万円以内とする」旨の決議が可決された。

そのため原告組合はその差額二六三万六八〇〇円の損害をこうむつた。

二、昭和五〇年五月二五日第九回原告組合通常総会において役員報酬額は年額二五〇万円以内とする旨決議された。

被告は、前年度から引続き昭和五〇年八月末まで原告組合の代表理事として在任したが、昭和五〇年四月から同年八月までの間に原告組合から次の金員を受領した。

報酬    一七四万五五〇〇円

夏季手当   六九万八二〇〇円

合計  二四四万三七〇〇円

原告組合は、議決済報酬限度額 一〇四万一六六六円を超過する一四〇万二〇三四円の損害をこうむつた。

三、被告は前項のほか原告組合から別紙一覧表記載のとおり、合計金六六万四八二〇円の被告個人の負担すべき金を支出している。

四、よつて原告は被告に対し右合計金四七〇万三六五四円及びこれに対する訴状送達の翌日から支払ずみまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

(請求原因に対する認否)

一、請求原因事実中、被告が原告組合の前任代表理事であり、これを退任したこと、第八、第九回定時総会において役員報酬額を可決したことは認める。

その余の事実は否認する。

二、被告は、原告組合の事務局長代行としての業務を兼務し、その給料を受取つたものであつて、代表理事としての報酬を受取つたことはない。

三、別表1ないし3について、当該自動車は原告組合の業務のためにのみ使用したものである。被告の個人目的に使用していない。したがつてその支出は原告組合がなすべきである。

別表4について、金額は一万八〇〇〇円である。

別表5については心当りがない。

第三、証拠関係(省略)

(別表)

番号  金額(円)  出費の原因

1 二万四〇〇〇 昭和五〇年五月二六日神戸二七八一号自動車税

2 七万六六一〇 同年七月一四日右自動車保険料、千代田火災

3 七万三〇五〇 同年七月一日右車検代行費用

4 二万八〇〇〇 昭和四九年八月―昭和五〇年一〇月日本生命退趣年金掛金

5 二万三〇〇〇 昭和五〇年七月一八日大開通郵便局法人税還付

6 一万〇五六〇 昭和五〇年九月一〇日弁当代

7 二万八六九五 前同日酸素代

8 一万一六五〇 昭和五〇年九月生命保険掛金

9 一万一六五〇 昭和五〇年一〇月生命保険掛金

10 二万〇〇〇〇 昭和五〇年九月―一二月商工会費(一か月五〇〇〇円)

11 一万八〇〇〇 昭和五〇年九月一〇日日本生命退職年金

12 一〇万五七六九 昭和五〇年九月―一二月ガソリン代

13 五万四〇七一 右同ガソリン代(フレンド)

14 一万一〇四〇 昭和五〇年九月一〇日弁当代

15 一六万八七二五 宮下組生コン代立替金

以上 六六万四八二〇円

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例